中毒性
だめだ。
もう二度と。
また傷つくことになる。
そうわかっているのに。
本や映画やドラマに心を奪われてしまったときのあの昂り、ときめき、輝き。
問題はそのあと。
引き剥がして現実に戻るときのやるせなさ。切なさ。もどかしさ。そして虚しさ。
苦しくなるとわかっていながら飛び込むのは愚かだ。
絶望があるとわかっていながら快楽を求めてしまうのは弱いからだ。
きっと制御できるだろうと途中までは思っているのは傲慢だからだ。
そうとわかっていて嵌っていく。嵌るのもまた快楽なんだろう。
他人に振り回されることへの悦び。
いつかは私があなたを振り回してあげたい。